講 義 概 要

注)テキスト、その他の教材等の指示がないものについては開講時に指示します。

 

1 被服整理学(前期)                                 担当教員 本間善夫

 購入時の衣服の諸性能を長く維持するには、どのような取扱いをすればよいでしょう。繊維・汚れ・水・界面活性剤・ドライクリーニング溶剤・防虫剤など,衣服を扱う上で接する様々な物質について、その分子構造の見方を知ると同時にそれらの相互作用について理解できるよう、インタラクティブなウェブ教材で系統的に解説します。またいろいろな数値の見方の基礎にも触れ、関連する環境問題や最新の計算科学の話題にまで言及します。(ブログを利用するため、自宅外でも利用できるフリーメールアドレスを持っていることが必要です)
テキスト(予定):平松峻ほか「被服整理学の理論と実験」,化学同人

 

2 染色科学(前期)                                 担当教員 佐々木博昭

授業目標 衣服や家具など、身の回りにある物体の色について考える。色の表示方法、色の測定方法などを学び、色彩科学的に

     応用する。インテリア素材や衣服素材の染色法およびいろいろな加工方法について基礎理論を学び、変色、退色など

     実際の生活で遭遇する消費性能について理解する。

授業内容 1.色の科学、2.色の表示、3.色素の化学、4.天然色素と合成色素、5.染色方法、

     6.染色加工理論、7.染色物の消費性能

テキスト プリントを使用。

 

 3 イギリス文化(前期)                                担当教員 井上清子

 現代のイギリスを多角的な観点から学ぶなかで、同国への理解を深め、異文化理解の基本的な姿勢を養うことを目標に、イギリス文化の種々の領域を、英文テキストや視聴覚教材を併用しながら概説します。

 

 4 現代国際政治論(前期)                               担当教員 黒田俊郎

国際政治学(1年後期)の延長線上にある授業です。冷戦終結後の世界政治の動向をフォローしながら、21世紀の戦争と平和の問題を考え、そのなかで日本外交を支える諸原則について再考します。以下の流れで講義する予定です。

1)冷戦終結とグローバル化−90年代の世界政治−

2)9・11の衝撃−米国同時多発テロ−

3)9・11に至る道−中東紛争略史−

4)9・11後の世界−対テロ戦争−

5)米国政権交代と日本外交−ブッシュからオバマへ−

 

 5 国際環境法(前期)                                 担当教員 堀江 薫

 この講義では、公害から地球環境問題に至るまでの多様な環境問題に関して、現象面から把握するとともに、健康・生命被害を受けた多数の人々の救済には十分な対処ができない近代市民法理論の限界と、それを打破するための国内法・国際法全般の試みを見ることにする。また、地球的利益のために活動する国際機関や非政府組織や、国際公益と合致した行動を迫られている国家のあり方なども扱うことによって、国際法の講義を発展させる形で種々の現実的・理論的課題を考察することにする。教科書は、阿部・淡路編『環境法[第3版]』有斐閣ブックスを予定している。修了判定は、適宜行う予定の出席確認を含む平常点などを参考にして総合的に評価する。

 

6 比較思想論(前期)                                 担当教員 石川伊織

授業目標:能とギリシア悲劇を比較します。近代におけるギリシア悲劇の改作上演と能のヨーロッパでの受容についても検討し

ます。とりわけ、ブリテンのオペラ《Curlew River》と『隅田川』の比較対照を綿密に行ないます。仮面劇としての

能とギリシア悲劇を神事との関係で分析することで、文化の基底にある宗教的な行為についての考察を深めます。

授業内容:実際にテキストを原典で読んで、討論します。本来は原語で読むことが望ましいのですが、ギリシア語原典はとても

無理ですので、近代のヨーロッパ語に翻訳されたテキストでもかまいません。これらのテキストを参照することで、

翻訳というものが時代と文化に大きく影響されているものであることがはっきりとわかります。

評  価:夏休みのレポートと学期末のレポートで行います。

テキスト:能のテキストは岩波の旧版日本古典文学全集を用います。プリントにして配布します。ギリシア悲劇は岩波文庫の翻

     訳を使います。こちらは購入してください。Brittenのオペラ《Curlew River》のテキストは、原典の楽譜から抽出

     したものをプリントして配ります。

 

7 西洋文化論(後期)                                 担当教員 石川伊織

授業目標:第一次世界大戦終結までの近代ヨーロッパ文化史を、ロンドン・パリ・ベルリン・ウィーンの各都市を周遊すること

で振り返ります。講義の初めに、地中海文明としての古代社会と、キリスト教文明としての中世を瞥見したうえで、

本論では都市とその近代化とを、帝国の崩壊と国民国家の成立という観点から考察し、最後に国民国家のはらむ諸問

題を第一次大戦以降のアメリカ帝国主義との関係から提起します。「ヨーロッパとは何か」という問いに答えるこ

とで、アジアそれも特に日本の近代化の問題を考えます。

授業内容:上記の四都市のそれぞれを歴史と文化の両面から紹介します。受講生の皆さんに調べて発表してもらうこともします。

     映像資料を駆使してわかりやすい講義にいたします。

評  価:冬休みのレポートと学期末のレポートで行います。

テキスト:そのつど指示します。とても買って読むには高価すぎる本ばかりなので、図書館を最大限に利用すること。

 

8 教育方法・技術(後期)                               担当教員 大桃伸一

 わが国では戦後の教育改革において、すべての子どもは心身ともにすこやかに生まれ、育てられ、生きていく権利をもっていると宣言しました。わが国の教育をめぐる状況は、こうした宣言内容にふさわしいものになっているのでしょうか。

 教育においてどのような方法を用いて教え導くことが効果的かということは、最も基本的な問題です。しかし、理念や目的と切り離された方法は、単なる詰め込みの技術になってしまうこともあります。時代や社会の要求と子どもの現実を見つめながら、教育方法・技術の問題を考えていく必要があります。

 この授業では、今日のわが国の教育問題を視聴覚教材を活用したりディベートやロールプレイー等の方法を取り入れながら考えていくなかで、実際的な教育方法・技術を学びます。

 

9 日本語概論(後期)                                 担当教員 福嶋秩子

 外国人に「日本語」の音や用法、ことばの意味などについて聞かれたとき、わかってもらえるよう客観的に説明することはなかなか難しい。私たちにとっての日本語は母語として習得されたもので、学習したものではないからである。また、日本語は特殊な言語であるとの考え方があるが、これは妥当だろうか。この講義では、日本語について言語学の立場から説明を試みる。

 (1)世界の中の日本語−日本語の特徴

 (2)外国語としての日本語−日本語の音韻・文法・語彙

 (3)生活語としての日本語−日本語の方言、日本語の変化

 学生には小課題や期末の試験を課しますが、特別受講生の皆さんはできる範囲で挑戦してください。

 

10 現代ヨーロッパ研究(後期)                             担当教員 黒田俊郎

歴史を貫いて流れる「ヨーロッパの精神と現実」について語ってみたい、これが授業を担当する私の根本的な問題関心です。ヨーロッパは、いったい今どこに向かおうとしているのでしょうか。私の専門は国際政治学なので、議論はいきおい社会科学的なものとなりがちですが、ヨーロッパの思想と文化にもできるかぎり目配りして、あえて大きくヨーロッパを総合的・文明論的に論じてみたいと思います。2009年度の授業内容は未定ですが、話題のトニ−・ジャット『ヨーロッパ戦後史』(上下卷、

みすず書房)をとりあげることも考えています。詳細は、直接担当者までお尋ね下さい。

 

 11 現代東南アジア研究(後期)                            担当教員 木佐木哲朗

 現代の東南アジア地域を、自然・生業・民族・歴史・政治・経済・社会・文化などの諸側面から多面的に分析し、それら諸側面の関連性や地域の特性・問題点を探ります。東南アジア地域あるいは東南アジア世界とは何か。つまり、単なる地理的区分ではなく、ある種の共通項ないし紐帯で結び付けられた、ひとつの個性的な「東南アジア」とは、いかなる地域世界かを考えます。そして、フィリピンを例にその社会の特性と多民族国家のかかえる現在的問題などを、詳細に考察できたらと思います。

 テキストは特に指定せず、参考図書の紹介やプリントの配布を行います。また、最後にレポートを提出していただきます。

 

 12 現代平和論(後期)                                 担当教員 黒田俊郎

 皆さんご存じのとおり、冷戦の終結は、当初期待されたような平和を世界にもたらしてはくれませんでした。冷戦という大きな戦争の後にまた別の大きな戦争が「テロとの戦い」という名で繰り広げられています。そしてテロを生みだす土壌となっている貧富の格差、民族・文化・宗教の相違に基づくとされる紛争は、あたかも人類に巣くった宿痾の如くです。授業では、国際社会のこの冷酷な現実を直視し、そのことについて真摯な思考を展開する内外の知識人の著作や論考を取りあげ、ゼミナール形式に近いかたちで詳細に検討する予定です。テキストを事前に読み、レジュメを作成し、それを報告し、みんなで討論するわけですから、今日の世界における「戦争と平和」の問題を真剣に考える意欲をもっていないと、授業についていくのは難しいでしょう。テキストの選定など、授業の詳細については、直接担当者までお尋ねください。

 

13 臨床心理学(通年)                                 担当教員 石本勝見

授業目標 自分のこころのありようを振り返り、他者に援助的にかかわるとはどういうことか?を学びながら考え、考えながら学んで欲しいと思います。

授業内容 こころの問題について事例等を通じて学ぶことから、人の理解、援助に必要な基礎的理論、心理アセスメント、心理療法等について一緒に考え、学んでいきたいと思います。聴くこと、自分のいいたいことを話すことも大事にしていきます。

テキスト 使用する予定です。授業の中で紹介します。

 

 14 英文学史(通年)                                  担当教員 渋谷義彦

 イギリスの文学と時代背景を概説する。各時代の代表的な作家の作品はプリントを用意する。これらを講義の中で読んだり、映画化されたものを部分的に鑑賞したりすることもある。

 テキストは次のものをつかう:吉田光雄 『英米文学史概要』 改訂版 (成美堂)

 

 15 米文学史(通年)                                  担当教員 小谷一明

 17世紀から20世紀前半までの代表的な作家・詩人を中心に、歴史や社会背景を含めて講義を行っていく。作家および作品内容については、授業用テキストである下記の本でも参照してもらう。また、作家、作品の背景については、映像資料を用いながら板書していく予定である。高田賢一他『たのしく読めるアメリカ文学』(ミネルヴァ書房)

 

16 英語学特殊講義(通年)                           担当教員 太田正之・佐藤英志

 音韻論、統語論の枠組みに基づき、英語や日本語を中心とした言語の文法現象を理論的に考察する。

 テキストは開講時に指示する。

 

 17 朝鮮事情B(文化)(通年)                              担当教員 山田佳子

 朝鮮の歴史や風土に関する基礎的な知識を土台に、朝鮮文化についての理解を深めることを目的とした授業です。前期は虎信仰、シャーマニズム、アリラン、妓生、朝鮮文化を知る上での基本的な事項を取り上げて講義、討論します。後期は詩や小説を読みます。作品を通して人々が社会とどのような関わりを持ちながら生きてきたかを知ることによって、歴史と社会を捉え直します。授業ではグループ討論という形で意見交換を行う場を適宜設けます。特に後期は小説についてのグループ発表を数回予定しています。特別受講生の方にもグループに加わって討論に参加していただきますが、発表は学生が行います。

 

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